日系ブラジル人の貸借事情!

日系ブラジル人の貸借事情!

 ~アメリカ発金融恐慌が日本で働く日系ブラジル人の住まいまで脅かしている~

そもそも日系ブラジル人はいつ頃からどのよう理由で日本に定住するようになったのか。日本国籍を持つ日系1世は1980年代頃から出稼ぎ目的で日本に入ってきていた。ただしその数はそれほど多くなく、一挙に増え始めたのは1990年の入国管理法改正以降である。
1990年といえば日本はバブル経済期で全国いたるところ、特に工場などで労働者が大幅に不足していた。中近東などからの不法就労者が急増し社会問題になったのもこの時期である。そのため国は正規の外国人労働者受け入れの検討を余儀なくされ、日本国籍のない日系2世、3世などに「定住者ビザ」を与え単純労働でも働くことができるように入国管理法を改定した。実は経団連など経済界からの強い要望(圧力)もあったらしい。

前述の経緯をたどり、いま日本にはブラジル人31万超、ペルー人6万弱が住んでいる。その多くの人が今回のアメリカ発金融恐慌で仕事だけでなく住まいまでも失いそうな状態にある。

サブプライムからはじまった経済恐慌は、周知の通りいまや一部の国や人の問題ではなく全世界の問題になっている。なのに、なぜ在住ブラジル人のしかも住まいにこだわっているかというと、彼らの多くが非正規社員であり、突然解雇され、住まいを失う可能性が高いからである。入管法を改正してまで受け入れた人達なのに。

昨年、名古屋のある人材派遣会社を訪ねた。ここには約2000人の登録派遣社員がいたが、そのほとんどが外国人。そのため会社は仕事の斡旋や手配だけでなく、住宅の確保や問題も一緒に解決してあげなければならないと。できることなら会社としては、住宅の斡旋は専門家(不動産屋など)に頼んで切り離したいが、それを引き受けてくれるところがここにはないと嘆いていた。

この不景気で工場が閉鎖され「非正規社員が解雇」というニュースを毎日目にする。この会社の外国人派遣労働者はどうなったのだろうか。

 さてブラジル人の住まいだが、以前ブラジル人が多く住むことで有名な群馬県太田市・大泉町を調査したことがある。地元の不動産屋などの話しでは、契約自体は派遣会社との契約、つまり借り上げ契約が多いとのことだった。

 単身者もしくは夫婦は1DKから2DKで3万~4万円程度、家族が少し多くなると2LDKで家賃は5万円程度のものを求めるらしい。駐車場は必須条件で1台では足りない場合が多い。本国では車はまだ高嶺の花で、日本で車を持ちたいと思っている人が多いからだ。
 
 最近、一戸建てを希望する人が増えてきた。理由はバーベキュウー。 冗談ではなくバーベキュウーはブラジル人の生活に切っても切れないものなのだ。

なぜ? 

紙面の都合もあるので、この続きは次回に・・・

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