シニアからのセカンドライフ

シニアからのセカンドライフ
~海外ロングステイが中高年に大人気~

長期滞在型余暇を総称して「ロングステイ」と言いますが、いまこのロングステイの人気が高まっています。ロングステイとは、現在の居住地に生活拠点を残しながら、海外もしくは国内のお気に入りの場所で、避暑や避寒または文化交流などを目的に、単なる観光旅行ではなく、異文化体験や交流を楽しむ滞在型旅行のことです。ロングステイは単なる旅行と区別する意味で、滞在期間を海外で2週間以上、国内で1週間以上と、財団法人ロングステイ財団が定義しています。

なぜ、ロングステイを希望する人か増えているのか、気になりますよね。その動機をヒアリングしたロングステイ財団の調査結果があります。それによるとロングステイを希望する動機としては、1位が「異文化に興味がある」、2位「避暑・避寒」、3位「好きな国に住みたい」と続いており、現地の過ごし方としては1位が「のんびり」、2位「周辺観光」、3位「趣味・スポーツ」が挙がっています。やはり自分らしいライフスタイルを築きたいというウォンツが強いようです。

さて、ロングステイ人口ですがロングステイ財団の集計によると、1992年が約90万で、11年は約141万とその数を伸ばしています。増えている年齢層は、やはりシニア世代です。団塊世代(1947~49年)の800万人が余暇人生に入り、セカンドライフの一つとしてロングステイを実行、または検討しはじめているからです。一方、現役世代においては長期休暇の確保が難しいため、気持ちはあっても実現するためのハードルはまだまだ高かそうです。

ロングステイ希望国のベスト10は、マレーシア、タイ、ハワイ、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、インドネシア、フィリピン、台湾、シンガポールで、マレーシアは2006年から1番の人気を誇っています。マレーシアの人気の理由は、政治・経済が安定、気候が温暖、自然災害が少ない、英語が通じる、物価が安い(日本の1/3)、インフラが整っている、長期ビザ(MM2H)の完備などが挙げられます。

ところで、ロングステイと聞いて、我が国(通商産業省)が以前(1987年)、リタイア層の第二の人生を海外で送るプログラムとして提唱した、「シルバーコロンビア計画」を思い起こした人もいるのではないでしょうか。

その計画とは、年金収入のリタイア層では国内においては実現できそうにない、広々とした住環境とゆとりの生活を、海外で実現しようという夢のような計画でした。が、進めるうちに言葉や生活習慣、医療不安を指摘する声が大きくなり、この計画は文字通り計画だけで終わってしまいました。当時の滞在人気国は、スペイン、オーストラリア、ニュージーランドで、今のようにアジアの国は多くありませんでした。

あれから社会情勢もライフスタイルも大きく変わり、滞在希望国もTOP10のうち6ケ国をアジアが占めるようになりました。情報がネットで気軽に取れるようになったこと、ライフスタイルが多様化したこと、旅行運賃が安くなったことなどが主な理由です。

人々が自由に国を行き来できるグルーバル時代となり、毎年多くの人が海外に渡っています。2012年は1850万人の海外渡航者がおり、13年には2000万人に近づくだろうと言われています。信じられませんが、渡航自由化になった1964年の海外渡航者数はわずか127,749人でした。その当時は海外旅行さえ誰でもができことでは無く、ましてや中長期滞在などは一部の限られた人だけでした。ところがいまは、誰でもが自由に旅行も長期滞在もできるようになったのです。

こうして見ていくと、新たなライフスタイルを団塊の世代が創りだすような予感を感じます。

福島県いわき市にロングステイしませんか。

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