日系ブラジル人の貸借事情! ~住まいは購入か賃貸か~

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日系ブラジル人の貸借事情!

~住まいは購入か賃貸か~

アメリカ発金融恐慌で仕事だけでなく住まいまで失いかけている日系ブラジル人やペルー人。その多くは公営または民間賃貸住宅に住んでいるが、分譲住宅をもとめる者も最近は多くいたという。

ローンを組まずに現金で購入するのならともかく、外国人が日本で不動産を購入するのは大変なはずだ。なのに、賃貸住宅ではなくあえて分譲住宅を選んだ理由はどこにあるのだろうか。そして、この不況で住宅ローン破綻の心配はないのだろうか。

日系ブラジル人に限らず外国人の滞在は長期化している。単身日本にやって来た若者がその後結婚そして子供を持つ、ごく自然なことである。日本で生まれ育ったブラジル籍の子供にとっても母国は日本だ。当然滞在は長期化もしくは定住化していき、彼らの求める住まいも変化していく。

さて、日系ブラジル人が分譲住宅を求めた理由にはいくつかあるが、その一つにバーベキューパーティを自宅でやりたいというがある。何かあると友達を集めてバーベキューパーティ。ブラジル人にとってバーベキューパーティは生活の一部、文化なのかもしれない。日本人の居酒屋文化に似て、集まるのに特別な理由はない。

これを賃貸住宅でやるのは無理がある。アパートの住民からクレームが来て即刻退去となるだろ。他の住民に迷惑をかけずにパーティーをやるにはどうしたらよいか・・・。

出た答えは、「共同住宅ではなく一戸建なら、つまり戸建を借りればいい」であった。ところがアパートでさえ外国人ということでなかなか貸してもらえないのに、戸建となればなおさら厳しい。

彼らが多く集住する群馬県、静岡県など地方都市の戸建分譲価格はかなり安く、30年ローンなどにすると月々の支払いが賃貸の月額賃料よりも低くなる物件が多くある。業者も売るために必死で、購入者のためにいろいろと便宜を図る。外国人に対しては、一番の悩みであるローン審査、これを通るように金融機関と提携したり働きかけたり懸命だ。

念願かなって戸建に住み、パーティーも周りに遠慮なくでき、家族や友達が国からやってきても同居でき、申し分ない環境が整った。

だが、突然襲ってきた深刻な不況、そして雇用不安。マスコミの報道によれば本年3月には日系人労働者の失業率は70%から80%に達するであろうと言われている。

 この人達の救済のためにいろいろな政策や支援が取られているが、なかなか進んではいない。賃貸住宅なら収入に合わせて住み替えることも可能だが購入したものは、ローンの問題もありおいそれとは売却できない。

 分譲を望むもう一つ理由に、スーパーインフレを経験しているブラジル人は現金で苦い経験をしてことが挙げられる。そのため現金より不動産が得だと信じて疑わない。万一ブラジルに帰国したとしても、賃貸で貸せば良いくらいに考えている。

「返済ローンに見合う分の賃料が得られるかどうか」、その辺のことまで考えているのだろうか。「日系ブラジル人サブプライムローン問題」に発展しないことを祈る場ばかりである。

「外国人の住まい」は賃貸業者だから言うのではないが、分譲より賃貸住宅のほうが良いと思う。だからこそ、外国人が安心して賃貸住宅、戸建住宅を借りられ環境整備が必要になる。

 
 バーベキュを楽しむブラジル人

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