賃貸借事情 天津でのセミナー

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「日中留学生入居促進協議会提案書」を王院長へ・・。(南開大学にて)

 

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中国人の賃貸借事情 天津でのセミナー

 

2003年9月、私は中国の天津市にある南開大学・日本研究院を(財)日本賃貸住宅管理協会・外国人入居促進研究会(現、国際交流委員会)の代表として、副代表の姜さんと訪問した。目的は日本研究院主催の国際シンポジウムに参加し、特別に設けていただいた分科会で「日本の賃貸借事情」と、我々研究会の成果物である『外国人入居安定化のガイドライン』の説明をするためであった。
なぜ、このような機会を私達が得たかといえば、メンバーの姜さんがこの日本研究院の卒業生で、先生方に自分達の活動(外国人居住問題に対する取り組み)について話をしていたことがある。さらに、日本研究院の先生達の多くは日本での留学経験があり、日本での部屋探しの体験者だ。「外国人という理由で部屋を貸してもらえなかった」「日本人の保証人を探すのが大変だった」などの苦い経験を持つ先生もいて「そんな思いを教え子にはさせたくない」と我々の提案に応じ、シンポジウムに招待してくれたのかもしれない。
分科会では、将来日本への留学を考えている日本語学科の生徒30名と先生方に参加していただき、「日本でアパートを借りるときの留意点」や「日本の賃貸借事情」についての説明、また住居確保に苦労する外国人のために作成した『外国人入居安定化のガイドライン』について質疑応答を交えながら解説した。
学生からは「なぜ、保証人が必要なのか」「保証人は友達ではダメなのか」などの質問があり、関心の高さを感じた。ただ、質問と意見の多くは生徒からではなく、先生達からであった。自分が経験した留学生時代のアパートのことや「研修で東京に滞在する時、安い宿舎確保が難しい」とかいった内容である。そして「なぜ日本はいつまでたっても、外国人の住宅問題について真剣に取り組まないのか」「短期・中期滞在者向けの安い宿泊施設があれば助かる」など、いろいろな意見や要望が出された。
日本における外国人の居住問題はまだまだ解消されていない。それどころか多くの外国人が多様な目的で入国するようになり、複雑化してきている感もある。外国人が住居確保に困ることなく、目的にかなった住まいを確保してもらうためには、文化や価値観が異なっていても、だれもが納得できるグローバルスタンダードな賃貸借システムが必要であろう。

 

                  株式会社イチイ 荻野

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