第8回 大型化するゲストハウス その2

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今日も朝から管理人室の前には長い列が出来ている。それは、「浅草に行きたいけど、行き方がわからない」「会社の面接に行くのだけど、日本のマナーを教えて欲しい」「彼女の実家に結婚の挨拶に行くけど、心配だ・・」などの相談をする居住者の列である。対応する管理人(マネージャー)は、テキパキとコンピューターを使いながら、希望地の地図を取り出したり、面接のマニュアル書を見せたり、日本語と英語を使い分けながら説明をしていく。一人が終われば「ハイ!次ぎ。ハイ!次ぎ」といった調子で、手際よく質問や相談に応じていく。

ゲストハウスが大型化するに従い、現場を運営するマネージャーに求められるものも多くなる。マネージャーには建物の維持管理役と共用部(台所、シャワールーム、娯楽室など)、専用部(居室)の利用の指導役、そして居住者に快適に住んでもらうためのホスト役などが求められる。さらに大型物件になると、娯楽室やサウナ室、ジムなどの設備も加わり、また居住者が多い分だけ歓送迎会などのパーティーも多くなるため、全体のコーディネーター役も務めることになる。

ゲストハウスには大学生、英語会話教師、芸術家、翻訳家や格闘家、見習い料理人そして医者の卵、果ては大学教授など様々な人が住んでいて、しかも年齢も国籍もまちまちだ。この居住者達に“住まいのルール”を説明し指導していくマネージャーには、一般的なビル管理人の業務や能力以外に、語学力と諸外国の文化や宗教に対する知識なども必要になる。

また、ホスト役としてホームシック、失恋、失業などに悩む居住者の話をきいてあげることもある。ある時は父親のように厳しく、またある時は母親のように暖かく見守ってあげ、そして年下の子には兄のように気さくに対応と、ホスト役にも3つの顔があるようだ。ゲストハウスの管理人室はまさに“行列のできる相談所”である。

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