インド人の賃貸借事情 その1

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宝石の研磨技術を勉強するインド人
インド人の賃貸借事情 その1
 「清掃は自分でするものなの?」とインド人

2004年夏、私は不動産賃貸業者を対象とする「外国人入居安定化のためのガイドライン実践セミナー」の講師として山梨県甲府市を訪れた。会場前でセミナーが始まるのを待っていると、慌てて来たのだろうか、息を弾ませながら「あ~、間に合った。今日のセミナーすごく期待しているのよ。いろいろ質問もあるし…」と地元の不動産業者であろう中年女性が受付の人と話しを始めた。そばで聞きいていた私は、どんな質問があるのか気になり「セミナーで質問してみたい事ってどんなことですか」と、たずねてみた。すると「最近甲府には、宝石商や水晶の研磨技術を学びに来るインド人が多くて、その人達がアパート探しに来るけど、どう対応して良いか分からないのよ。部屋は余っていて、大家さんからは早く決めてと催促されるから、入れたいのはやまやまなのだけど、どうかね~。インド人に貸して出た後の部屋を覗いたらすごい汚れ方だった、なんて話も聞くしね」と話しだした。

山梨県にインド人が増えたという話しは初めて聞いた。調べてみると数自体は少ないものの、確かに03年の205人に対し05年は224人と1割弱増えている。日本全国でも13,340人から15,480人と1,000人以上増えた。宝石ブローカーなど、短期滞在者を含めればもっと増えているのだろう。

ところで、インド人の入居トラブルはどうなっているのだろうか。そんなに部屋は汚れているのだろうか。もしそうだとしても、それはインド人特有のことなのか、それとも入居者個別のことなのか。いろいろな人の話を纏めてみると、どうやら個々の問題というより習慣の違いで、インド人特有のことのようだ。インド人は自分で掃除をする習慣が無いらしい。ここで重要なことは“自分で”というところである。掃除をしないのではなく“自分ではしない”のである。それはお手伝いさんの仕事なのだ。日本に来ているインド人の多くは、本国ではお手伝いさんを雇用している。そのため洗濯も掃除もお手伝いさんなのだ。インド人にとってお手伝いさんは不可欠な存在といえる。でもここはお手伝いさんをそう簡単には雇用できない日本。そこが問題だ。

この辺についは次回詳しく…。

                         株式会社イチイ 荻野

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