日本に来たばかりの外国人が、習慣の違いからおかしな行動を取り、周りをびっくりさせたり、笑わせたりすることはよくある。サラダをラーメン丼に盛ってみたり、ご飯に醤油をかけたり(日本人でもいそうだ)。そうかと思うと「日本の電気製品は世界一!スイッチだけでOKさ」と、洗剤を入れずに洗濯機を回し「汚れが落ちない!」と、3回も回してから管理人室に原因を聞きに来る外国人。当社の運営するゲストハウスなどではこんな光景は珍しくない。
先日も、「どうしたら良いのでしょうかね?共用部を専用的に使わせるわけにいかないよね」と、困り顔でアパートの家主がやってきた。実は入居者のチョウさん(中国出身)がアパートの窓先空地(東京都の安全条例で、災害時の避難・救助のために確保しなくはいけない空地)を自分の部屋の前庭と勘違いして、勝手に畑に変えてしまったらしい。
今まで、入居者で草むしりをする人などはいなく、除草は家主が自分でやっていた。そのため、草をむしり共用部を綺麗にしてくれるチョウさんのことを、家主は感心して見ていた。だが、1週間後嬉しそうに水を撒いているチョウさんの足元からスクスクと伸びているカイワレ大根の芽を発見してしまったのだ。
(財)日本賃貸住宅管理協会が、「外国人の居住安定のためのガイドライン」の作成にあたり実施した「家主アンケート」によれば、外国人へ賃貸する場合の不安点として、「生活ルール上のトラブル発生」を挙げている家主が60%あった。が、不安を抱くようになった要因として、「自分の経験上から」と回答する者はわずか10%であり、他は「TV・新聞報道・近隣の噂・・40%」「何となく不安・・31%」「知人などのトラブル話を聞いて・・27%」であった。また、アンケートの結果、家主が一番懸念しているのは「トラブルが発生したとき、誰がきちんと対処してくれるのか」であった。
どうやら異文化共生住宅の課題としては、トラブル回避も重要であるが、その対処方法、そして対処してくれる管理者がポイントになりそうだ。