第19回 日本式ホームスティ(その2) 夕食の世話ができない? 自宅に招くのが苦手な日本人

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前回の『ホームスティが普及しない理由はなにか?』に対して読者から反響があった。「日本人はお客を自宅に招くのが苦手、これが原因しているのではないだろうか。それと女性の就業率が高まり昼間は誰もいない家庭が多くなったことや、日中パートで働いている主婦が多くなり、夕食の世話などができないという理由もあるのでは?」との意見だ。また、「日本でホームスティをすすめるためには学校などの協力を得て、卒業生、各種団体などへ“チラシの配布”や“説明会開催”など具体的な活動が必要なのではないか」との提案までいただいた。

確かに日本人はお客を自宅に招くのが苦手かもしれない。東京のS区で国際交流推進の一環としてホームスティを促進しようとしたことがある。ホストファミリーも20数組集まり、実際に外国人の滞在が始まった。が、すぐにいろいろな問題が噴出しはじめ、結果的に宿泊はさせない形の“訪問スタイルのホームスティ”に変更になったそうだ。失敗の原因は、ホスト側が滞在者を“お客”として扱いすぎたためと、滞在者側の中にホームスティを単なる“安い宿泊施設”と考えていた人が多くいたためらしい。両者のホームスティに対する考え方に大きなギャップがあったということだ。

私自身の外国でのホームスティ体験を振り返ったとき、ゲストのような扱いではなく家族の一員として常に扱われた。そのためこちら側も気を遣わずにすみ、自由に生活をエンジョイさせてもらった。アメリカでのことだが、滞在初日の朝「ミルク、オレンジ、それとも水?」と聞かれ、遠慮深い日本人の私は「水」と、とっさに答えてしまった。ほんとうに「水」が、パンと一緒に出てきた。そこには“お客”として滞在している私、“家族”として受け入れているホストファミリー、両者の考え方の違いが出たのだろう。もちろん2日目からは「ミルク、プリーズ」であった。

「少子高齢化の影響で日本の大学は3割が定員割れ、留学生に期待」などという記事が、ここのところ新聞紙面を賑わせている。であれば、留学生の受け入れを促進するためにも彼らが“ナマの生活体験”を積みながら、快適に暮らせる安い住居「日本式ホームスティ」を検討してみてはどうだろう。そういえばイギリスのB&B(bed&breakfast*ベッドと朝食付き住宅。シャワールームなどは共同)もホームスティの一種だったような・・・。あれだったらお互いに気楽で良いかもしれない。

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