事業再開チェックリスト
[再開チェックの意義]
緊急事態宣言により事務所や店舗を閉鎖または休業(リモートワークによる在宅勤務など)を改め、平時の事務所や店舗の業務再開を進めるために、再開条件として再開後のCOVID-19の感染の危険性を払拭するための対策が必要であり、この対策なくしてお客様や従業員の安全と生命を守ることはできないでしょう。
またリモートワークや在宅勤務、自宅待機という緊急事態宣言により対応してきた業務体制を維持するべきか、見直すべきかの体制のチェックが必要になります。
よって事務所や店舗の再開にあたっては、以下の項目チェックを行い、必要な対策と準備設定をした上で、再開することにより、今後の再拡散するかもしれない第2波・第3波の感染時に役立つことになります。
[営業店舗再開チェックリスト]
- 従業員の検温と健康チェック(高熱・咳・味覚臭覚の異常・倦怠)の自己申告を行う(期間を見極める)
- 掃除消毒剤および事務用品の在庫を確認し、必要に応じて消耗品を注文する
- 再開する前に、大規模な洗浄と消毒が必要な領域を特定する
- 継続的な洗浄と消毒の実践を計画する
- カウンターのすべての器具用品の表面をきれいにし、消毒する
- 従業員間のスペースを増やす:
・現場とリモートワークの計画を立てる
・デスク配置変更による配線(電源・ネット等)を再構成する
・オープンな未割り当ての座席から、割り当てられた座席に変更する
・床に色付きのテープで目印を付け社会的距離を決める
・個人のワークスペースを指定する
・小さな会議室をプライベートオフィスとして使用する
- お客様(来店、内見、訪問)との社会的距離を確認する:
・内見時にお客様と対面する場合の防護と距離を設定する 設置する(設置期間を見極める)・来店を避けるため郵送にて書類の収受を推奨する
・IT重説やWEB、VRの利用計画により非対面接客を促進する
・カウンターや接客テーブルにクリアアクリルシートやクリアアクリル板をカウンターでお客様と対面する場合の防護と距離を設定する
- 防護具(マスク、手袋など)が必要かどうか、誰が提供するかを決定する
- 会議室の使用を制限するか、占有を制限する。標識を掲示して利用方針を強化する
- 来店、内見時の消毒を強化する・内見時の物件消毒を推奨する(消毒方法は消毒手法マニュアル参照)
- ・お客様入店時(消毒液配置)来店後の消毒を推奨する
- 受信および送信メールとTV会議配信の処理方法などアプリの見直しをする
- 共有備品(電子レンジ、コーヒーマシンなど)の使用を制限する
- 再開する前にすべてのトイレと小便器を洗い流して消毒する
- PC、コピー機、タブレット、室内ライトスイッチ、ドアノブなどの接触の多い面への消毒を計画的に実施する
- 残りのすべての高接触面の近くに手指消毒剤と消毒用ワイプを配置する
- 店舗内の換気について計画する
- 共有を避けるために、自分のコーヒーマグ、水筒などの持参を促す
[事業再開チェックリスト]
【従業員の出勤退勤関係】
- 体調の自己管理と申告を決める(検温、咳、無味無臭、倦怠感、)
- 体調管理をいつまで行うか計画する
- 社会的距離の確認:導入と継続を見直す
・満員電車を避けるための対応として、時短、リモートワーク、在宅勤務の店舗内デスクの配置見直し
・対面で話す場合の対策と距離を決めておく
・退勤後の飲食店への出入りの制限と規制を設定する
- 勤怠管理を見直す(通常勤務・時短勤務・在宅勤務など)
- 室内の消毒と換気方法を規定する
- 緊急事態宣言による都道府県首長の要請関連により、家族の状況に変化(家族のリストラ、家族に隔離者がいる、学校の休校休園で子供の面倒が必要、DVが起こっている)などの相談は担当役員が直接受け付ける
【事務所店舗内の対応関係】
- デスク、椅子、電話、PC、コピー機、事務用品などの消毒計画を規定する
- トイレ、下駄箱、洗面台、スイッチ関連などの消毒計画を規定する
- 共有で使用する会議室、エレベーターのパネルなどの消毒計画を規定する
- 接客用カウンター、接客用テーブル椅子などの消毒計画を規定する
- 消毒剤の配置場所を設定する
- 消毒剤、掃除用具の在庫を確認する
- マスク(フェイスシールド)などの着用とその期間、条件を規定する
- アクリル板やアクリルカーテンの期間と条件を規定する
- 従業員と勤務形態について現状を話し合う
- スタッフの職能レベルと職位を確認し、必要に応じて変更を加える
- チームのどのメンバーが現場作業に戻る必要があるか、リモート作業またはその他の作業に戻る必要があるかを決定する
- スタッフと協力して、再開後の感染症排除に関する遵守事項を策定する
- 定期的なメンテナンスまたは消毒清掃計画を策定する
- チームと各チームメンバーについてPCBの責任を再設定する
- スタッフの検温/健康チェックがいつまで必要かを決定する
- 洗浄、手洗い、消毒、マスクなどの防護具の使用、および社会的距離の慣行
- 従業員がパンデミック関連を報告したときに何が起こるか、何が起こったのかを検証する
- 事務所店舗内での必要な物品やニーズについて困難な状況を話し合う
- 健康状態について従業員、病気の家族、育児の困難について話し合う
- 責任、およびその他のパンデミック関連の課題について話し合う
【在宅勤務使用時の物品持込関係】
- 借用PC(ディスプレイ・本体・キーボード・マウス等)の消毒
- 借用PCに追加アプリの確認と削除
- 借用PCの正常起動の確認
- USBでのデータの移動や持ち出しの禁止を再確認
- 通常使用物品(バック・携帯・カメラ・事務用品等)の消毒
- その他持込私物の消毒
- 在宅勤務時の必要物品についての話し合い
【サービスプロバイダー関係】
- サービスプロバイダーが稼働していることを確認する
- 必要に応じて、バックアップ/交換のサービスプロバイダーを手配する
【事務所店舗の設備品への対応関係】
- 電気水道ガスの正常化の確認
- 給湯室の器材等の正常化の確認と消毒
- 冷暖房機の正常化の確認と消毒
- 事務機器の正常化の確認と消毒
【お客様との社会的距離の対応関係】
- 飛び込み来店者への対応(検温・手の消毒・マスクの着用など)
- 来店予約者への対応(検温・手の消毒・マスクの着用など)
- 案内時の社会的距離の確認(マスクなど)
- 内見時の社会的距離の確認(マスク・消毒など)
- 接客カウンター、接客テーブルでの社会的距離の確認(アクリルカーテン・アクリル板・マスク・消毒など)
- 退室精算時の社会的距離の確認(マスク・消毒など)
- クレーム対応時の社会的距離の確認(マスク・消毒など)
- IT重説、契約時などWEB取引の導入と確認
- 必要書類、案内書類の郵送・メールでの取引の導入と確認
- 入金関係での振込・クレジット取引の導入と確認
- 部屋の鍵の受渡時、返還時の社会的距離の確認(鍵の消毒など)
【入居者への対応関係】
- 家賃の遅延時の対応方法の確認
- 家賃の延滞申込時の対応方法の確認
- 家賃補助の情報の提供
- 家賃保証会社との情報の共有
- 近隣者の感染情報(噂・フェイク)などのクレームに対する応対
- 物件の消毒に関するクレームに対する応対
- エントランス等への消毒液配置に関する応対
- 緊急事態宣言、COVID19、給付金、補助金など国や都道府県の施策を情報として入居者に発信する
- 家賃相談を進んで受けることを情報として発信する
- 共用部の消毒を行うことなどを入居者に発信する
- 第2波のあることを想定して3密をさける情報を発信する
【オーナーへの対応関係】
- 営業店や事務所の営業状態を報告
- 営業再開の相談
- リモートワーク導入によるITやWEBの変更事項の相談と報告
- 家賃の遅延や申し出に関するオーナーへの相談
- 賃貸物件の消毒に関する実施や費用負担に関する相談
- 国や都道府県の施策による家賃補助等の相談
- 新規物件の募集に関する相談
[再開の基本条件]
- 緊急事態宣言の宣言項目について最新の情報を把握する
- 緊急事態宣言による各都道府県の最新の要請事項を把握する
- 日本への海外からの入国者・帰国者は、出入国管理法により入国禁止または
- 14日間の待機などの規制が行われています。(2020.5.11現在)
[次の波に備える]
賃貸不動産管理業の再開は、パンデミック後ではなく、パンデミック中に始まり、パンデミックはさらに数か月続く可能性があります。このため、次の波の可能性に備える必要があります。
- パンデミックによって実施された業務体制の変更が、永続的な運用手順になるかを見直します
- 感染症は繰り返すことを考えて、対応できる準備をする
- パンデミックに対する新しい情報を定期的に取得する
- 学んだ教訓を緊急時の備えと事業継続計画(BCP)に組み込む(BCP参照)
- リモートでの作業と運用のための能力を、会社と個人が共に構築する