事業再開チェックリスト(賃貸不動産管理業居住用最終版)

 

[再開チェックの意義]

緊急事態宣言による事務所や店舗の閉鎖または休業、リモートワークによる在宅勤務などを改め、平時の事務所や店舗の業務再開を進めるためには、再開条件として再開後のCOVID-19の感染の危険性を払拭するための対策が必要であり、この対策なくしてお客様や従業員の安全と生命を守ることはできないでしょう。またリモートワークや在宅勤務、自宅待機という緊急事態宣言により対応してきた業務体制を維持するべきか、見直すべきかの体制のチェックが必要になります。よって事務所や店舗の再開にあたっては、以下の項目についてチェックを行い、必要な対策と準備をした上で再開することが、今後の感染対応策に役立つことになります。

[再開チェックの目的]

再開チェックを行う目的は、自社の事務所・店舗を安全に再開し、従業員が安心して働ける環境を提供し、それを継続させることを目的とします。並行して、もう一つ大切な目的は、来店されるお客様が心理的に、安心して来店して頂ける店舗体制になっているかをチェックするためのリストであり、自社の目線、お客様の目線の両立がポイントになります。再開の大切なポイントは、自社の満足だけではなく、お客様の不安を取り除くこと、そして満足して頂ける来店、納得して頂ける来店にしていくことこそ、再開チェックの目的となります。

 

 

 

[再開チェックのポイント]

再開チェックリストは、自社が行うべき項目を網羅していますが、その中に「お客様目線」が入っている箇所があります。これは、お客様の不満や不安の心理を記載していますので、お客様の立場に立った設定・作業・計画が必要であることを十分に認識した上でチェックをお願いします。

 

 

 

[営業店舗再開チェックリスト]

  • 従業員の検温と健康チェック(高熱・咳・味覚臭覚の異常・倦怠)の自己申告を行う(期間を見極める)HP等に自社のコロナ対策を明確に記載すべき]
  • [◇お客様目線・・・お客様は社員の健康チェックを知らないので、自社
  • 掃除消毒剤および事務用品の在庫を確認し、必要に応じて消耗品を注文する
  • 再開する前に、大規模な洗浄と消毒が必要な領域を特定する
  • [◇お客様目線・・・COVID-19に本当に効く消毒剤洗浄剤なのか]
  • 継続的な洗浄と消毒の実践を計画する
  • [◇お客様目線・・・お客様には見えない作業になりますが、お客様に聞かれた場合、消毒計画や消毒方法について答えられるように準備し、HP等に自社コロナ対策として記載しておく]
  • カウンターのすべての器具用品の表面をきれいにし、消毒する
  • 従業員間のスペースを増やす:

・現場とリモートワークの計画を立てる

・デスク配置変更による配線(電源・ネット等)を再構成する

・オープンな未割り当ての座席から割り当てられた座席に変更する

・床に色付きのテープで目印を付け社会的距離を決める

・個人のワークスペースを指定する

・小さな会議室をプライベートオフィスとして使用する

  • お客様(来店、内見、訪問)との社会的距離を確認する:
  • ・カウンターでお客様と対面する場合の防護と距離を設定する

[◇お客様目線・・・接客者との距離が余りにも近いと不安に思い、さっさ

と切り上げる傾向にある]

・内見時にお客様と対面する場合の防護と距離を設定する

・カウンターや接客テーブルにクリアアクリルシートやクリアアクリル板を

設置する(設置期間を見極める)

[◇お客様目線・・・お客様にフェイスシールドを提供するだけでも、安心

される傾向にあり、コロナ対策ができている店舗とみなされる]

・IT重説やWEB、VRの利用計画により社会的距離を確保する

・来店を避けるため郵送にて書類の収受を推奨する

  • 防護具(マスク、手袋など)が必要かどうか、誰が提供するかを決定するお客様がマスクをつけて来店された場合は、接客担当者もマスクをつける
  • ことにより、お客様の不満は消える傾向にある]
  • [◇お客様目線・・・いつまでマスクが必要かとの問題になるが、少なくとも
  • 会議室の使用を制限する。標識を掲示して利用方針を示す
  • 来店、内見時の消毒を強化する [◇お客様目線・・・定期的に店舗では消毒していても、お客様には見えてターやテーブル、イス等は消毒した方がお客様に安心感を持たれる] [◇お客様目線・・・ドアノブや窓等に触るのは、お客様には抵抗がやすい]
  •   あるため消毒液持参で、入室前に消毒することによって不安は解消され
  • ・内見時の物件消毒を推奨する(消毒方法は消毒手法マニュアル参照)
  • いないので来店時に不安になる。よってお客様来店時に目の前でカウン
  • ・お客様入店時(消毒液配置)と退出時に消毒を推奨する
  • 受信および送信メールとTV会議配信の処理方法を決定する
  • 共有アプライアンス(電子レンジ、コーヒーマシンなど)の使用を制限する
  • 再開する前にすべてのトイレと小便器を洗い流して消毒する
  • PC、コピー機、タブレット、室内ライトスイッチ、ドアノブなどの接触の多い面への消毒を計画的に実施する
  • 残りのすべての高接触面の近くに手指消毒剤と消毒用ワイプを配置する
  • 店舗内の換気について計画するな換気と来店時の換気を行いましょう]
  • [◇お客様目線・・・来店時にお客様が一番不安がる点は、換気です。定期的

 

 

[事業再開チェックリスト]

【従業員の出勤退勤関係】

  • 体調の自己管理と申告を決める(検温、咳、無味無臭、倦怠感、)
  • 体調管理をいつまで行うか計画する
  • 社会的距離の確認:導入と継続を見直す
  • ・満員電車を避けるための対応として、時短、リモートワーク、在宅勤務の

・店舗内デスク配置の見直し

・対面で話す場合の対策と距離を決めておく

・退勤後の飲食店への出入りの制限を設定する

  • 勤怠管理を見直す(通常勤務・時短勤務・在宅勤務など)
  • 室内の消毒と換気方法を規定する
  • 緊急事態宣言による都道府県首長の要請関連により、家族の状況に変化(家族のリストラ、家族に隔離者がいる、学校の休校休園で子供の面倒が必要、DVが起こっている)などの相談は担当役員が窓口で受け付ける

 

【事務所店舗内の対応関係】

  • デスク、椅子、電話、PC、コピー機、事務用品などの消毒計画を規定する
  • トイレ、下駄箱、洗面台、スイッチ関連などの消毒計画を規定する
  • 共有で使用する会議室、エレベーターのパネルなどの消毒計画を規定する
  • 接客用カウンター、接客用テーブル・椅子などの消毒計画を規定する
  • [◇お客様目線・・・定期的な消毒計画とお客様来店時の不安を取り除く消毒計画が必要で、来店時は必ずお客様の目の前で消毒のデモンストレーションを行うとお客様の不安は解消される]
  • 消毒剤の配置場所を設定する
  • 消毒剤、掃除用具の在庫を確認する載しておく。手指用はエタノール70%以上を推奨]
  • [◇お客様目線・・・手指用消毒剤について成分を聞かれることもあるので記
  • マスク(フェイスシールド)などの使用とその期間、条件を規定する
  • アクリル板やアクリルカーテンの期間と条件を規定する
  • 従業員と勤務形態について現状を話し合う
  • チームのどのメンバーが現場作業に戻る必要があるか、リモート作業またはその他の作業に戻る必要があるかを決定する
  • スタッフと協力して、再開後の感染症排除に関する遵守事項を策定する
  • 定期的なメンテナンスまたは消毒清掃計画を策定する
  • チームと各チームメンバーの責任についてPCBの責任を再設定する
  • スタッフの検温/健康チェックがいつまで必要かを決定する
  • 洗浄、手洗い、消毒、マスクなどの防護具の使用、および社会的距離の慣行
  • がいつまで必要か決定する
  • 従業員がパンデミック関連を報告したときに何が起こるか、何が起こったのかを検証する
  • 事務所・店舗内での必要な物品やニーズについて足りてない物、足りてないことを話し合う。っていないか。感染防止策はお客様にとってこれでいいのか。など]
  • [◇お客様目線・・・過度の感染防止策になっていないか。接客時間が短くな
  • 健康状態について従業員、病気の家族、育児の困難について話し合う
  • 責任、およびその他のパンデミック関連の課題について話し合う

 

【在宅勤務使用時の物品持込関係】

  • 借用PC(ディスプレイ・本体・キーボード・マウス等)の消毒
  • 借用PCに追加アプリの確認と削除
  • 借用PCの正常起動の確認
  • USBでのデータの移動や持ち出しの禁止を再確認
  • 通常使用物品(バック・携帯・カメラ・事務用品等)の消毒
  • その他持込私物の消毒
  • 在宅勤務時の必要物品についての話し合い

 

【事務所店舗設備品への対応関係】

  • 電気水道ガスの正常化の確認
  • 給湯室の器材等の正常化の確認と消毒
  • 冷暖房機の正常化の確認と消毒
  • 事務機器の正常化の確認と消毒

【お客様との社会的距離の対応関係】

  • 飛び込み来店者への対応(検温・手の消毒・マスクの着用など)
  • 来店予約者への対応(検温・手の消毒・マスクの着用など)
  • 案内時の社会的距離の確認(マスクなど)
  • 内見時の社会的距離の確認(マスク・消毒など)
  • 接客カウンター、接客テーブルでの社会的距離の確認(アクリルカーテン・アクリル板・マスク・消毒など)
  • 退室精算時の社会的距離の確認(マスク・消毒など)
  • クレーム対応時の社会的距離の確認(マスク・消毒など)
  • IT重説、契約時などWEB取引の導入と確認
  • 必要書類、案内書類の郵送・メールでの取引の導入と確認
  • 入金関係での振込・クレジットの取引の導入と確認
  • 部屋の鍵の受渡時、返還時の社会的距離の確認(鍵の消毒など)

 

【入居者への対応関係】

  • 家賃の遅延時の対応方法の確認
  • 家賃の延納申込時の対応方法の確認
  • 家賃補助の情報の提供
  • 近隣者の感染情報(噂・フェイク)などのクレームへの応対
  • 物件の消毒に関するクレーム応対の情報の共有
  • その他クレームに対する応対の情報の共有
  • エントランス等への消毒液配置に関する応対
  • 緊急事態宣言、COVID19、給付金、補助金などの国や都道府県の施策を情報として入居者に発信する
  • 家賃相談を進んで受けることを情報として発信する
  • 共用部の消毒を行うことなどを入居者に発信する
  • 第二波のあることを想定して3密をさける情報を発信する

 

【オーナーへの対応関係】

  • 営業店や事務所の営業状態を報告
  • 営業再開の相談
  • リモートワーク導入によるITやWEBの変更事項の相談と報告
  • 家賃の遅延や延納申し出に対するオーナーへの相談
  • 賃貸物件の消毒に関する実施や費用負担に関する相談
  • 国や都道府県の施策による家賃補助等の取扱いによる相談
  • 新規物件の募集に関する相談

[再開の基本条件]

  • 緊急事態宣言の宣言解除に関する最新の情報を把握する
  • 緊急事態宣言による各都道府県の最新の要請事項を把握する
  • 日本への海外からの入国者・帰国者は、出入国管理法により入国禁止または
  • 14日間の待機などの規制が行われています。(2020.5.11現在)

[次の波に備える]

賃貸不動産管理業の再開は、パンデミック後ではなく、パンデミック中に始まり、パンデミックはさらに数か月続く可能性があります。このため、次の波の可能性に備える必要があります。

  • パンデミックによって強制された業務体制の変更が、永続的な運用手順になるかを見直します
  • 感染症は繰り返すことを考えて、対応できる準備をする
  • パンデミックに対する新しい情報を定期的に取得する
  • 学んだ教訓を緊急時の備えと事業継続計画(BCP)に組み込む(BCP参照)
  • リモートでの作業と運用のための能力を、会社と個人が共に構築する
  • 冬の季節に、社員の発熱が風邪によるものか、インフルエンザによるものか、COVID-19によるものか、個人や会社では判断が付かなくパニックが発生します。第二波・第三波に備えて、というより確実に口を開けて待っています。対策としては、早期のインフルエンザ予防注射を推進します

 

 

[まとめ]

お客様が店舗や現地に赴く際、不安に思う点は、「従業員個人の感染防止策の取り組み」「不要不急の外出になってはいないか」などであり、お客様が賃貸不動産管理業者の対応で安心できることは、「現場の感染防止策が目に見えて分かる」「来場来店前の情報提供が丁寧」「感染防止策の事前伝達が明確」などである。またお客様が賃貸不動産管理業者へ接客時に求めたいことは、「店舗の十分な換気」「カウンター等の消毒」「対面接客時の飛沫対策」などがあげられる。賃貸不動産管理業者としては、お客様の不満を解消する対応案で店舗事務所等の再開を果たし、安心してご来店頂くことが重要です

 

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