第10回 ゲストハウスの課題 その2 商品化をどう図るか

イメージ 1

“ゲストハウス”の定義がまだ定まっていない。ゲストハウスの特徴の一つである入居・退室時の簡便な方法や設備の共同利用は、市場の変化と共に一般賃貸借でも導入され始め、コレクティブハウス、コーハウジング、シェアーハウスといった共同生活型住宅も現れ、ゲストハウス特有のものではなくなりつつある。

“ゲストハウスは他の賃貸住宅と何がどう違うのか”、それを明確にし他との差別化を図り商品化していく必要が出てきた。社会学、経済学、そして建築学的見地で“ゲストハウス”を見て、他の住宅との違いを探ってみた。

社会学的見地で“ゲストハウス”を見ると、新たな出会い、語学交換、文化交流などを求める人達の“共同生活の場”となるだろう。ただし、そこにはコレクティブハウス、コーハウジングのような明確な運営コンセプトや共同生活上の作業・役割分担などはない。今後のゲストハウスの課題としては、コンセプトを明確にしその目的のために集う住人の期待に応えられるようにしていく必要がある。

次に経済学的見地では、ゲストハウスの共同施設を有効に使う手法は経済効率を図った非常に経済的で合理的な方法と言える。また、住人においても共に住むことのメリットを語学交換、文化交流といった形で生み出している。まだまだスケールメリットを出す方法、効率化は見つかりそうである。

そして建築学的視点からは、学生寮、社宅そして古アパートを用途変更またはリフォームしている例が多いゲストハウスは、法規制のみならず運営面での問題点を慎重に検討する必要がある。場合によっては建物に一定の基準を自主的に設ける必要があるかもしれない。さらに、“理想とするゲストハウス”が中古物件のコンバージョンで不可能であれば、新築を検討するのも一案である。

日本の慣習的な賃貸借に風穴を開けた形のゲストハウスはこれからどのように変貌し、成長していくのか。「相互扶助機能を持たせた住まい」「安全を共有する住まい」「経済的メリットを追求する住まい」「楽しい住まい」、これをゲストハウスが実現してくれるかもしれない。

関連記事

アーカイブ

ページ上部へ戻る