ゲストハウスの商品化をどう図るか

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ゲストハウスの商品化をどう図るか

 隆盛を極めるゲストハウスだが、それと並行していくつかの課題も生まれている。ひとつは、「ゲストハウスの定義が定まっていない」ということだ。ゲストハウスの特徴の一つである入居の簡便さは、市場の変化と共に今では一般賃貸住居でも見られるようになったし、設備の共同利用に関してはコレクティブハウス、コーハウジング、シェアーハウスなどもあり、ゲストハウス特有のものでもない。

 ゲストハウスは他の賃貸住居と何がどう違うのか、明確にする必要が出てきたようだ。そこで、少し大げさではあるが、ゲストハウスを社会学、経済学、建築学的見地で他の住居と比較してみよう。

 社会学的には、新たな出会い、語学交換、文化交流などを求める人達の「共同目的の場」となっている点が指摘できる。ただし、そこにはコレクティブハウス、コーハウジングのような明確な運営コンセプトや、共同生活上の作業・役割分担などはない。経済学的には、ゲストハウスが行ってる共同生活スタイルは、非常に合理的な方法と言え、建物や設備だけの共同利用メリットだけではなく、「共に住む」メリットを語学交換、文化交流といった形でも享受でき、スケールメリットを出す方法(効率化)も見いだせそうである。

 そして建築学的視点からは、学生寮、社宅そして古アパートを用途変更またはリフォームしている例が多いゲストハウスは、法規制のみならず運営面での問題点を慎重に検討する必要がある。場合によっては建物に一定の基準を自主的に設ける必要があるかもしれない。さらに、「理想とするゲストハウス」が中古物件のコンバージョンで不可能であれば、新築を検討する必要も出てくる。

 日本の慣習的な賃貸借に風穴を開けた形のゲストハウスはこれからどのように変貌し、成長していくのか。「相互扶助機能を持たせた住まい」「安全を共有する住まい」「経済的メリットを追求する住まい」「楽しい住まい」、これらをゲストハウスが実現してくれるかもしれない。

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