外国人入居支援シンポジウム

外国人入居支援シンポジウム開催

外国人入居促進研究会では、外国人を優良な顧客と考え、積極的に入居支援をしてゆく必要があると考え、当研究会発足3年間、これまで培ってきた入居支援の方策を発表し、今一度、出席者の皆様と一緒に外国人対応の原点を考えてみました。

 

〔第1部〕フローチャートで学ぶ外国人対応実務のポイント

当研究会メンバー荻野が説明

外国人が増えているというが、その実態は・・・

法務省入国管理局、平成12年12月末現在における外国人統計数の発表。 今後も少子、高齢化の影響、国際化、ボーダレス化に伴い外国人は増えていくと予想されます。 これは新たなビジネスチャンスの到来と言えないでしょうか

ビジネスチャンスである事はわかったのだが・・・

そして困ってる人には部屋も提供してあげたい でも・・・ 大きく分けて2つの「でも」がある

1.言葉の問題

2.習慣、文化の違いから来るトラブルの懸念(ここには賃貸借契約システムの違いもから来る物も有るのでは・・)

「2つのでも」を解決する方法はないものか

1.来店時に詳しく個人情報を入手する(来店受付カード)

*今までは、案内の途中もしくは申込の段階で情報入手、でもこれでは家主さんに借り手の内容を十分伝える事が出来ない。

外国人を受け入れてみようと思った貸主でも、これでは躊躇してしまう。

↓(情報不足)

今回は見合わせ

*来店受付カードに書き込んでもらう(来店受付カード・書き方の手引)を利用

↓(十分な情報)

安心・信頼(借り手本人、そしてその仲介・管理会社に対しても)

契約

2.言葉の問題はどうするか

来店受付カード・申込書等、相手国の言葉の対訳書式を利用する事で解決

3.習慣、文化の違いから来る勘違い・トラブル

「来店受付カード・書き方手引」・「入居申込書・書き方手引」・・・これで解決

実はこれらの手引書は、書き方のみならず、日本の賃貸借そのものについての解説書になっている。

 

スムースな契約

1.早い段階で契約に必要な書類関係の説明を・・「契約時に準備する書類」参照

日本人にとっても契約に必要な証明書・書類準備は大変です。ましてや・・・

早めに伝え準備してもらいましょう。

2.業務手順フローチャートの活用

手順がわからなくなったら「来店受付から契約までの業務手順フローチャート」を参照しましょう。

外国人に人気の不動産会社

外国人にとって不動産会社を尋ね部屋探しをするというのは、心理的に非常に負担となり大変な事です。

こんな時1言2言、自分の国の言葉で話し掛けられると、気持ちが和み打ち解けやすくなります。

 

〔第2部〕全国の管理会社に聞いた、日本で唯一のアンケート調査発表

当研究会メンバー稲葉が説明

国際化に対応して今後一層の外国人入居促進を図るため、外国人入居を阻害している問題点等を検証するため全国の日管協会員756社を対象に「外国人への賃貸業務に関するアンケート調査」を実施し、その結果報告

有効回答305票

全国に分布する会員の殆どの会員が取り組むと回答

契約主体は本人でかまわない・・・2/3の業者が回答

外国人入居促進支援に必要な方策

○外国人向け住まい方ガイド

○金銭保証してくれる保険会社・保証制度

○契約書等書類の外国語解説

〔第3部〕パネル討論会

テーマ:国際時代の賃貸市場を考える

(なぜ、外国人は優良顧客と言われるのか)

以下は一部パネラーの意見

 

Q、部屋探しはどのようにしましたか?

姜:私は日本に来る前に、すでに日本に留学している大学の先輩や同級生に手紙で連絡を取りあったり、夏休みに一時帰国した友達に部屋探しについてのアドバイスをもらったりしておりました。ちょうど杉並区の阿佐ヶ谷に住んでる先輩が、同じアパートの1室が空いたようなので、オーナーさんに聞いてみるという事で、大家さんの了解も取れそのアパートにする事にしました。先輩はこのアパートに2年ぐらい住んでいたのですが、大家さんの評判がよかったようで、オーナーは「あなたのお友達だったらいいですよ」とのことで、日本に来る前に部屋は決りました。

その後は、近所の不動産業者が、とても親切だったので、引越しをしたり、お友達が来たりする時は、いつもその不動産業者に行って、助けてもらいました。

 

Q,入居前に説明してもらうと助かったと思うことがあるか?

やはり日本の賃貸仕組みをよく知らないので、出来れば詳しく礼金、敷金、共益金、更新料、仲介手数料、原状回復等を分かるように説明してくれると助かります。また入居中に発生したいろいろなクレームは何処に連絡するか等細かく説明すると言いと思います。契約の際に説明が多く時間がかかるかも知れませんが、最初に徹底した説明は後の生活には大いに役に立つと思うし、管理会社にとっても後で発生したクレーム対応よりはいいと思います。

また生活案内もあると助かると思います。例えばゴミだし方法、銭湯の入り方とかです。

地域の皆さんにいい印象を与えると、次の外国人入居者にとっても助かり、良いイメージを与えます。

 

Q,外国人お立場で何か意見はあれば・・・

私はまず日本の民間アパートに住んでよかったと思います。なぜかといいますとこれは日本短期滞在のホテル住まいと違い、真の日本文化体験だと思ったからです。生活する上では、育だった国も習慣も違うので、文化の衝突は避けられないことだと思います。問題は最初からどういった意識をもって、この問題を直面するかだと思います。お互い尊敬しあってそれからなるべく相手を理解し、ルールに沿って努力すれば、クレームもすぐ解決できるしまた事前予防も出来ることではないかと思います。

また何処の国の人間にも個人差がありますので、前の人がこうだったからといって、その国の人全部がそうだと思うわないようにしていただきたい。誤解を招くもとにもなると思います。言葉さえ通じあえば、後は人間同士の交流だと思いますので、是非日本の皆様に宜しくお伝えしたいと思います。

 

 

今後の対応としては、貸す側と借りる側の悩みをよく聞いて、お互いよりよい関係を気づき上げることに力を尽くすことだと思います。個々という小さい単位でも国際的感覚をもって外国人に対応し、外国人もせっかく日本に来たので、日本の習慣そして地域の習慣を尊重し、自ら自分が小さな外交官だというつもりで頑張ることではないでしょうか。「住まう」ということ自体はそれほど特別なことでは無いでしょうが、そこに住みながら同じアパートの住民や近所の人そして大家さんとの関係をうまくやっていくこと、これがやがて大きくなり民族、国の友好関係につながるのではないかと思います。お互い人間同士として、仲良く同じアパートに住むことができることが何よりの願いであります

 

 

Q,契約期間設定に工夫はるか?

萩野:使用期間に合わせて定期借家契約を利用したりしてます。

 

Q、入居中の住まい方をどう説明しているか

荻野:生活のすまいガイド、英語版などで説明し、それを渡している

知り合いの大家さんで、ゴミ出し等日常特に注意してもらいたい事、トラブルの」多い内容を書き出し玄関ドアの内側に告知ボードのように貼り付けていて、それがかなり有効だという話を聞きました。

Q クレーム対応

荻野:契約時に時間をかけて十分説明する。そして出来れば現地で実際器具等使用の仕方など説明する。

隣の方などに一緒に挨拶して回る、そして何かあったら連絡くれるよう伝え、わからないことがあったら教えてあげて欲しいとお願いする。

結構回り近所の人が手助けしてくれるし、最初挨拶しておくとその後の会話がスムーズ

 

Q、会場の人に

荻野:共同住宅にはもちろん色々な人が住んでいるわけであるし、引っ越してくるわけでそれが日本人であろうと、外国人であろうと先住者にとっては、何の情報も入らないわけなので当然不安である事は容易に想像できるわけで、相手が同じ日本人であった場合、色々な形で相手を判断できる。しかし基本的な情報を自分がもってない外国人が入ってきた場合、多分拒否反応が先に働くのではないでしょうか。

そこで、先程触れたように、先住者に新入居者の情報、もちろんプライバシーの問題をきちんと踏まえた上でていきょうしてあげる。そうする事で他人ではなくなるのではないでしょうか。

 

 

以下は全体に対してのQ&A

 

①なぜ今、シンポジウムを開いたか?

 

ご存知の通り、今年日本でワールドカップが開催されます。しかも

日本と韓国が一緒になってのものです。開催地はもちろん、練習地の

地方都市においても、外国人サポーターの受け入れにてんやわんやの

状態です。

 

ワールドカップで来日される方は、もちろん短期滞在の方ですから、

私達、不動産業者の取り扱っている、中長期滞在型賃貸アパート、マ

ンションのお客様になるわけでは無いのですが、「外国人の住居確保、

受け入れ方法」というキーワードは同じで、潜在的にあった問題が、

今回ワールドカップを機にまた問題提起され注目され始めた。

 

そこで2年前より始めた私達の研究会「外国人入居促進研究会」の、

活動発表を兼ね、今回シンポジウムを計画した。

 

 

②シンポジウムには多くの不動産会社が参加していますが・・・・

 

日本は既に少子化の影響で、若年層が減り始めております。これは取り

も直さず、賃貸入居者が減っていく事を示唆しており、一方では外国人が

年々増加しております。私たち不動産業者としては、新たな入居者として

外国人を積極的に受け入れる事が、自社の経営上、そしてアパート経営安

定化のためにも必要な事と考え始めた。

 

また、今までは外国人が居住するエリアが限られていて、一部エリアの

問題であったが、近年は外国人居住エリアは日本全国広範囲にまたがり始

めた。今回も日本全国から不動産業者が参加している。

 

今まで外国人受け入れ経験、体験の少ない業者が、より良い対応方法を

勉強する目的で参加してくれたと思う。

 

③日本の外国人向け賃貸が抱えている課題・問題点・・・

一番の問題は、貸す側、借りる側お互いが言葉の問題も含め慣れていない。

次に日本の仕組みが煩雑で、しかも合理的でなく、慣習的なものが多く外国人

にとっては解りにくいものである。たとえば礼金、退室時の敷金の精算方法

また更新料など。保証人の問題も有りますね。

 

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